• 内藤博久

事業再開を目指す雇用主のコロナ感染対策プランの策定義務(後半)

2020年7月19日に配信したポッドキャストの概要を以下に載せます。

まだ聞いていない方はぜひ、こちらからどうぞ。

https://anchor.fm/u5185u85e4u535au4e45/episodes/ep-eggiu0



<前半のおさらい>

事業再開に向け、雇用主が考えるポイントや疑問に思う以下について解説。

  • 政府のガイドラインに沿った安全プランを策定するにはどうするのか。

  • 従業員が安心するプランとはどういったものか。

<後半の内容>

安全体制が不十分な状態で事業再開をした場合のリスクについて。 安全確保、感染予防プランに問題があるケース 1.連邦・州政府などから出されるガイドラインを無視して事業再開 2.会社が策定する安全対策プランがない、または不十分 3.安全対策プランはあるが、従業員のトレーニングなどがない 4.安全プランはあるが、ルールが社内で守られていない

いずれも従業員の不安をあおり、将来的な法務リスクを増加させる。


<リスクについて>

1.OSHA、州、市の衛生局など行政から査察を受けるパターン

  • 違反行為がある場合、ガイドラインの基準を満たしていない場合は民事制裁金が課されるリスク。

  • Whistleblower(公益通報者保護):従業員が告発(オンラインなど)できる制度がある。

  • OSHAの査察がある場合、対策・対応が求められる。

  • OSHAの査察を受けることは企業イメージによくない影響を与えてしまう。

2.従業員から訴えられるパターン

  • 従業員が事業再開に不安・不満を持ち、職場復帰を拒否するケースが多い。

  • 従業員は、雇用主の復帰要請を拒否できるのか?→感染のリスクが緊急または差し迫っている場合は、雇用主からの職場復帰の要請を拒否することができる。 

  • 合理的便宜(Reasonable Accommodation)の検討をする。

  • Whistleblower Act (公益通報者保護法)→告発や内部通告を理由とした解雇や降格、嫌がらせや脅迫などの不利益取扱が禁止される。


3.ポストコロナ特有の訴訟パターン

  • “public nuisance(公的不法妨害)と集団訴訟:雇用主が安全体制を整えてない中で事業再開をすることは、公共衛生を害すものであり、迷惑行為であるという考え方。また、この訴えは集団訴訟となる可能性が高い。

  • 通常は、こういった訴えは退けられる可能性が高い。なぜなら、安全体制の有無を判断するのは裁判所ではなくOSHAの管轄である。また労災での救済が可能。

  • しかし、コロナ禍では、(特に州の裁判所にて)こうした訴えが通るケースが出てきている。例:マクドナルド、アマゾンのケース

どんなに良い安全対策プランを作っても、100%訴訟や法務リスクの予防はできない。しかも、CDCやOSHAの規定、州法、連邦法のガイドラインは日々変わる。こうした中で、従業員とのコミュニケーションを積極的に図ることが何よりも大切。コミュニケーション不足になると、従業員がOSHAへ告発をしたり、職場復帰を拒否したり、さまざまなリスクに発展しかねない。従業員と向き合うことこそが、何よりの予防法務となる。


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