• 内藤博久

ポスト・コロナの訴訟件数について

Lex Machinaのデータによると、2020年度第3四半期の連邦裁判所に提訴された労務訴訟の件数は14,000件だったそうです。2018年度の16,700件や2019年度の16,000件と比較しても、訴訟の件数が減っていることが分かります。過去9年のデータと比較しても、今年の第2、3四半期の労務訴訟件数は、それぞれ4,669件と4,278件となっています。過去9年の訴訟件数は4,900~6,000件となっているので、2020年度の訴訟が減少傾向になっていることが分かります。


訴訟が減っていることは、雇用主に良いことなのですが、2つほど留意点があります。ひとつは、コロナ禍において自宅待機令などがあり裁判所の手続きも大変であったこと。もうひとつは、雇用主の経済状況が悪く、原告弁護士や従業員が提訴することを躊躇したことです。この2つの要素が、訴訟が本年度減少したことに大きく影響をしています。


労務訴訟については、このまま減少傾向が続くのか、それともこれは嵐の前の静けさとなるのか、注意していく必要があります。今後、訴訟が増えるのであれば、どのようなトレンドとなるかについても追っていかなければなりません。ちなみに、ポスト・コロナの労務訴訟では、報復行為(Retaliation)と差別に関する訴訟が多いようです。



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