• 内藤博久

ウイルス予防対策の不備を理由に、食肉加工業者が従業員に訴えられたケース

最終更新: 2020年6月18日

Fisher Philipsの記事

「Develop A Proactive COVID-19 Workplace Safety Plan Or Risk Employees Seeking Court Intervention」

https://www.fisherphillips.com/resources-alerts-develop-a-proactive-covid-19-workplace-safety


本記事では、アメリカ大手の食肉加工業者Smithfield Foodsが、米国疾病予防管理センター(CDC)の安全基準に従わず事業を再開していることを理由に、ミズーリ州にて従業員から訴えられたケースを解説しています。興味深いのは、本訴訟では従業員から金銭的損害の請求はなく、従業員は、Smithfield Foodsに対しCDCのガイドラインを守って事業再開することのみを求めています。裁判所は、工場のウイルス対策に問題があったか否かの判断は労働安全衛生管理局(OSHA)の管轄であるとして、従業員の訴えを却下します。その一方、裁判所は、Smithfield Foodsに対して従業員の請求(Injunctive Relief:差止命令による救済)は認められるべきではない、と判断しています。従業員のInjunctive Reliefを裁判所が認めないという判断基準は、製造業や工場を営む雇用主にとって参考となりますので、確認しておくことが重要だと思います。


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